第2回地球生命賛歌フォトコンテスト!!!
《海の部》
●グランプリ
●準グランプリ
※審査員総評
●協賛団体賞
●一般投票賞
●入選
<<グランプリ>>
(審査員:写真家・上出俊作氏)
(審査員講評)
写真からストーリーを感じるというのはこういうことか、と思わせてくれる作品ですね。生き物の目線の先、あるいは進行方向の先に広めのスペースを確保することで、鑑賞者がその後の展開を自然と想像してしまいます。
この作品で特筆すべきは、構図だけでなく、一瞬のシャッターチャンスをモノにすることで、よりストーリー性を高めた点です。
ウミウシの体が伸びて、今にも崖から落ちそうな状態に動きや緊張感を感じます。と共に、タイトルと合わせて見ると、本当に興味津々で自分の次の住処を探しているように見えますね。その他ライティング等の基本的な技術力も高く感じました。
ピントも触覚に合っていますが、個人的にはもう0.5mmくらい手前に合わせた方が、よりシャープに見えるのではないかと思います。それから、現像で浮遊物の写り込みを除去しているのではないかと思いますが、せっかく消すなら、もっと細部まで拡大して見て、消し残しがないようにしてもいいかもしれませんね。
細部を見ればまだやれることはありそうですが、水中という特殊な環境でのネイチャーフォトの面白さを教えてくれる、素晴らしい作品です。
<<準グランプリ>>
(審査員:DAIKINGフォトセミナー講師・DAIKI氏)
(審査員講評)
いろんな方向に開いている状況をとてもうまく写せたことで、写真のどこを見ても元気さが感じられるような、伝わってくるものがとても大きいなと感じる作品です。
撮影角度が良いのは言うまでもなく、色トビぎりぎりの明るい露出にできたのが良い結果を生んだのだと思います。
もう少し被写体のディテールが出せていれば、より生命感が感じられたかなと思うので、いろんな絞り値で撮影してみてそれらを見比べながら、ディテールとボケ味とのバランスがベストなのを選び抜くことができれば良かったかなと思いました。準グランプリおめでとうございます。
【審査員総評】
◎写真家・上出俊作氏より
海の部・大地の部共に、昨年に比べ全体のレベルがかなり上がったように感じられます。
それぞれの参加者が、この1年間写真に対して主体的に取り組んできたんだなという印象を受けました。
一方で、やりたいことはわかるんだけど…という写真が多かったことも事実です。
パッと見の印象はいいけれど、よく見るとピントや構図が甘い、という写真が少なくありませんでした。
せっかくなので、どういう基準で審査をしたのか、細かく見ていきましょう。
今回のフォトコンテストでは、大きく分けて以下の2点を意識しながら写真を見ていました。
①なぜその被写体を撮ったのか
②なぜそのように撮ったのか
一つずつ見ていきます。
①は、言い換えれば「視点」です。
あなたは世界をどう見ていて、何に心を動かされたのか。
個人的には、必ずしも伝えたいことやストーリーが明確にある必要はないと思っています。
しかし、誰でも何でも撮れるこの時代、「あなた自身の視点」があるかどうかは問われているはずです。
あなたがその被写体を撮ろうと思ったきっかけは、内的なものなのか外的なものなのか、どちらでしょうか?
みんなが撮っていたから、とか、誰かに紹介してもらったから、では、動機としてはちょっと弱そうです。
始まりはそこでもいいのですが、その被写体と対峙した時に、自分の内側から湧き出てくる何かはあったでしょうか?
「綺麗!」とか「かっこいい!」とか「可愛い!」とか。
心が動き、それを「撮らずにいられない」状態になると、自然とその感動を写真に乗せたいという気持ちが生まれます。逆に、そこに内的な動機が感じられない写真は、少なくともフォトコンテストという土俵では戦えないでしょう。
もちろん、練習の意味で皆と同じ被写体を撮るのはありですし、そこに楽しさも感じられると思います。
これはあくまで、フォトコンテストという特殊な場においては、あるいは写真を発表して評価される状況においては、という話です。
②は、「視点」と対になる言葉を一つ選ぶなら「技術」ですかね。
一つひとつの技術力の高さだけでなく、数ある撮り方の中からどうしてその引き出しを選んだのか、も入るでしょう。
もちろん、一つひとつの要素が丁寧に追い込まれているかも見ています。そもそもフォトコンテストというのは、審査員の写真に対する考え方、もっと言えば趣味嗜好によって選ばれる作品が異なります。
その前提で、誤解を恐れずに言えば、僕はフォトコンテストを「技術を競うもの」だとはとらえていません。
その被写体を撮ろうと思った動機。言い換えればその感動をしっかり写真に乗せられているか。それを技術だととらえています。ピント、アングル、構図、露出、ライティング、などなど。
ひとつでも疎かになれば、写真から発せられるエネルギーは半減し、せっかく現場で感じた思いも届きません。
奇をてらう必要はありませんが、全ての要素を確認しながら、丁寧に整えていく必要があります。
「なぜその被写体を撮るのか」を外的な要因に頼り、技術力だけで勝負しようとすると、ちょっとうるさい写真になりがちです。その被写体を撮らざるをえない内なる動機があって、それを写真に込めるために持っている技術を一つひとつ丁寧に使う、というのが自然な流れのように感じています。
今回のフォトコンテストは、完璧とは言えないまでも、上記のような①と②の流れが感じられる作品を入賞とさせていただきました。
ちなみに、惜しいなと思った作品の多くに、構図の甘さを感じました。
日の丸構図とか三分割構図とか、それぞれの名前や効果を覚えることも大事なのですが…
そもそも構図とは何かというと、どうやってバランスをとるのか(あるいは崩すのか)ということです。
一般的にバランスというのは、写真の中の重さで見ます。
例えば日の丸構図なのに被写体がちょっとだけ右にずれていると、右が重くなり、右に傾いてしまう…というような話です。被写体の場所だけでなく、色の濃さも重さに関係します。
なんとなくイメージできるかもしれませんが、濃い色は重く、薄い色は軽く感じられます。
細かい話はまた今度どこかでしますが、写真の中の重さのバランスが取れているかを意識してみると、構図をこれまでとは違った次元でとらえられるかもしれません。
最後に、今回から応募が始まった組写真について。
面白い試みだと思いますし、今後多くの方に挑戦してみて欲しいなとも思いました。
当たり前ですが、組写真にするからには、組写真にする意図が必要です。
写真というのはそもそも情報量が少ないメディアです。特に、言葉が添えられていない場合には、1枚の写真でも様々な解釈が可能になります。
そのような曖昧な写真に対して、ある程度解釈の方向性を与えてあげるために、写真を複数枚組み合わせる。
つまり、意図的にストーリーを作るということが、組写真にするひとつの目的でしょう。
もう一つ、これは一般的ではないかもしれませんが、写真を複数枚合わせることで、あえて解釈を難しくさせる。安易にストーリーを与えず、混沌とさせるために、写真を複数枚組み合わせるということもあるかもしれません。個人的には、ざっくり言うと組写真にする意図は上記のどちらかかな思っています。
その意味で、今回は組写真からの入賞作品はありませんでした。
正直、組写真ではなく単写真としての応募だったら入賞だったのにという作品もありました。
組写真は、同じ場所、同じ時に撮ったものである必要は全くありません。
連続しているようなカットに無理やり意味を与えようとするのではなく、組写真の意味をじっくりと考えて、時間をかけて構成して欲しいなと思います。
以上が全体の講評になります。
普段から水中写真のレクチャーなどをさせていただいている方も応募者の中に多くいらっしゃるので、ちょっと厳しめの?講評になったかもしれません。
ちなみに、フォトコンテストで入賞しなかったからといって、その写真に価値がないというわけではないですからね。違う写真家が審査すればグランプリかもしれませんし、どのフォトコンテストでも入賞しなかったとしても、あなたにとって一番大切な人の心には届くかもしれません。
コンテストはあくまで一つのお祭りにすぎませんので、これからも楽しく自由に写真を楽しんでください。
それでは、次回の地球生命賛歌フォトコンテストで、皆さんそれぞれの視点に溢れた作品と出会えることを楽しみにしています!
◎DAIKINGフォトセミナー講師:DAIKI氏より
大地の部と同じく、みなさんの撮影テクニックがとても上がっていて、ピントや露出、構図などが良い作品がかなり多かったです。ただそれだけにその先にあるものを感じたい、つまり奥深い「ストーリー」が感じられる作品を期待してしまいます。
水中撮影の良いところを二つあげるとすれば、まず「野生生物を限りなく至近距離で撮影できる」ということです。陸上ではありえないくらい近くで、刻一刻と変化する生物たちの営みを目の当たりにできる。これはダイバーならではの特権ですので、一瞬のシャッターチャンスを逃さず、大自然の偉大さや尊さを感じられるような作品づくりを常に意識してもらいたいなと思います。
また浮力コントロールをすることによって、陸上ではなかなか撮りにくいアングルでも簡単に撮ることができますので、しっかりダイビングスキルを身につけて、誰もが想像できないような大胆な構図を展開してみたりして、水中写真の面白さをより感じてもらえれば嬉しいです。
陸上撮影でしかできないことと水中撮影でしかできないことをしっかり認識することから始め、さらに陸上と水中のそれぞれで培ったことを相互に活かせるようになれば、より個々の作品に重みが加わり奥深いものになると思いますので、水中写真を行ってきた皆様にはぜひこれからも水中、陸上ともに写真撮影を続けていってもらいたいと心から願っています。
また、海でお会いしましょう^^
P.S.
審査および講評に関しては写真のみを見て行っております。撮影者が誰かを知ってしまったり、作品のタイトルやストーリーを読んでしまうと、純粋に写真に対する評価ができなくなってしまうからです。ご了承くださいませ。
2023年 5月8日 DAIKI
協賛団体賞
地球環境フォーラム賞
金賞
<コメント>
全体の色味やボケ味が、とても素敵だと思います。
コケギンポの眼と、その周囲のピントやディティールも、とてもきれいですね!
遠くを見ているような表情もいいですね!
銀賞
<コメント>
カエルアンコウの可愛い色と、前ボケの色味が、とても素敵だと思います。
カエルアンコウの露出はよいと思いますが、前ボケが少し暗いので、
あまり露出を上げると、カエルアンコウが白飛びするかもしれませんが、
もう気持ち、露出を上げてもよいのではないかと思いました。
カエルアンコウにはストロボがしっかり当たっているので、
もう1灯のストロボを、前ボケに当てられるとよかったのではないかと思いました。
しかし、前ボケが暗いことによって、主役のカエルアンコウが
引き立っているとも言えると思います。
スワモンショウ賞
<コメント>
マツバギンポが、我々に何か語りかけ様としているように見え、
その表情がすごく可愛くて、赤ちゃんを見て思わずニッコリしてしまう、
そんな感覚にさせられる作品です。
HATAMOTO JAPAN賞
<コメント>
ファイルを開いた瞬間から、なんとも可愛らしいヤドカリさんに頬が緩みました。
実際に現地にいるかのような感じや、宮古島の美しさが素晴らしくでていて、
ほっこり暖かくなる一枚だと思い選ばせていただきました。
ワンネスサポート賞
<コメント>
キラキラ光る桜の花びらが流れる天の川を泳ぐ魚のようで、ハっとさせられました!
遠い夜空の向こうに手が届きそうな、不思議な気にさせられました。
一般投票賞
<投票いただいたみなさんからのコメント(抜粋)>
- ずばり目力(めぢから)! お魚さんが回りと一体になっている、その中心にある目に超魅力を感じました!
- ウルウルプルプルの透明感が綺麗で素晴らしいと思いました。
- お布団から顔を出しているようでかわいいです。
- 背景のやわらかさや色彩がとても美しくて、佇むコケギンポも美人(魚?)さんに見えるなと思いました!
- 色彩がとても繊細に美しく、質感もモフッてて心地よさそうで、ほんと、これ以上の居場所は、ない!と感じました。おさかなさんの表情がうっとりしてたら、さらに良かったね。^^
- まず、全体のふんわりとした白が綺麗だなと思いました!そこからひょっこりと顔を出しているコケギンポくんがすごく可愛い!!!拡大してみると、目の周りって、こんなに美しい色をしているんだ!と思いました!!!いろんな楽しみ方ができる素敵な作品だと思い、選ばせていただきました!
- 目がイキイキしていて可愛いと思いました!
- とっても可愛い
- コケギンボちゃんのうるうるした純粋な目と、周りの包み込むような空気感がとても美しく可愛いと思いました。
- ギンポの可愛らしさに感動いたしました。
<投票いただいたみなさんからのコメント(抜粋)>
- 最初見た時クラゲの仲間かな?と思いましたが海藻の花なんですね。透明感がとても神秘的だと思いました!地上で雨に濡れると透明になる花と言うのはネットで見つけましたが海中ならではの透明な花も素敵だと思いました。
- 魔法の杖みたいで、キラキラしているから
- パッと見て、その透明感さに惹かれました!光を受けてキラキラ!年に一度のお花ということで本当にロマンだなぁと^^
- ウミヒルモの花の透明感がとても美しくて、初めて見た海の中で咲く花に感動しました。
- こんなにとても美しく、宝石のようにきれいな花が、海にいるんだ~!!!めっちゃきれい~~!!!
- 一年に一度のロマンがとてもすてきに表現されているとおもいました^^!
- とても感動しました!!!そんなに小さな花をこんなにきれいに撮れるなんて!!すごいなと思いました!
- 初めて見る小さな小さな海に咲く花が、とても神秘的で、なぜかわかりませんが、ウルウルしました。
- 一年に一度だけ海に咲く花の美しさ、透明感、生命の奇跡と神秘に感動しました。
<投票いただいたみなさんからのコメント(抜粋)>
- 見た瞬間に可愛いとおもったのと、ストーリーをみて、波の流れと必死に岩につかまるピカチュウの感じがよく出ていると思いました。
- かわいい
- ピカチュウが小さくて、本当は海の中の小さな生き物だった伝わってきたし色合いも素敵!
- 全体の色彩が気に入りました。ピカチュウもかわいい!
みなさんが、最もインパクトがあって印象に残った作品!!!
<投票いただいたみなさんからのコメント(抜粋)>
- 海の中に特別な空間を創り出しているような、鮮烈な印象を受けました!
- 構図(バランス)がすばらしい。
- 斬新な感じ。何かにとても響いてくる、とても印象的な作品だと思いました。
- この色彩感は感動です!こんなにも鮮やかで美しい生きものが、海中にはいるんだ!と思いました。
- 色がすごくきれいで海の中とは思えない生き物に感動!不思議、素晴らしい!
【入選】
皆さん熱意が高く!!!@^^@ 気愛がばく大なので!!!@^^@
今後の、ますますの気愛Upのためにも、「入選」の枠を設けました!!!
入選作品は審査員及び事務局からそれぞれ選出しています。(※重複選出あり)
※上出さんが選んだ入選作品
No.015 『無限の可能性』はるかさん
グランプリ作品と同様、セオリー通りの構図の作り方で、被写体の視線の先にまさに可能性を感じますね。
カイカムリ?がカイメンの出っ張った所をよいしょと登っているようで、愛らしいです。
動きのある瞬間を狙いながらピントもしっかり目に合っていて、技術力の高さも感じました。
被写体の可愛さや状況の面白さに任せず、目の前の瞬間と状況を丁寧に切り取った作品だなと感じました。
No.022『アマモの精』tenさん
ヒメイカの美しさがストレートに表現されていますね。
F値を絞り込むわけではなく、アングルを工夫することで被写体全体にピントが合うようにしているのが上手いなと思いました。アマモの色もボケ感も綺麗ですね。派手ではありませんが、ずっと見ていたくなる作品です。
構図は調整の余地があるかもしれません。全体的に少し左が重めなのと、右上の青い部分がちょっと気になりました。その点がさらに工夫されれば、グランプリに選ばれていたかもしれませんね。
No.031『神秘の花』tenさん
まさに作者の視点で撮影された作品ですね。
目の前の被写体の美しさをどうやって伝えようか、色々考えてつくられた作品なのではないかと思います。
写真を見た瞬間、この美しい花のようなものは何だろうと、素直に思いました。
このままで十分作品として成立していますが、他にも色々工夫の余地はありそうです。
ISO感度を下げて背景をもう少し暗く落として、花が画面の中から浮き上がるようにしたり、あるいは縦構図で切り取ってみたり。自分だったらどう撮るかなと、皆さんも考えてみてください。
No.037 『御洒落に撮ってね』宙美さん
撮影当日に拝見した作品ですが、やっぱりいいですね。
カサノリ特有の形とわざとらしい緑が、印象的に切り取られています。たくさん写るアングルで構えたことで、なんだか楽しそうな雰囲気も感じますね。僕自身、何かの集合を撮る時には、その中で主役を決めて撮るのですが、この作品からもそんな姿勢を感じました。
スペースの空け方、埋め方を工夫すると、作品としての洗練度がさらに上がりそうです。
※DAIKIさんが選んだ入選作品
No.011 『桜色の妖精』りんりんさん
No.021 『ビッグママとおチビちゃん』tenさん
No.022 『アマモの精』tenさん
No.042 『光へ』SARUさん
👑DAIKIさんからの個別講評(全応募作品掲載!!)
DAIKIさんより:No.をピンク色にして、その後に◎を付けたのが入選作品及びグランプリ、準グランプリとなります。
講評については良い点も改善点ももっとたくさん書きたかったのですが、時間の都合上手短に書かせていただきました。
※事務局が選んだ入選作品
No.003 『新天地へGO!』ひろしさん
No.005 『 小さなロマン』ひろしさん
No.015 『無限の可能性』はるかさん
No.024 『Keep your head up』tenさん
No.025 『スキマの対面』はるかさん
No.032 『ループ』Keiさん
※受賞・入選されたみなさんおめでとうございました@^^@