第4回地球生命賛歌フォトコンテスト!!!
【審査結果発表】
◎応募作品数 307作品
●グランプリ
●準グランプリ
※審査員総評
●協賛団体賞
●一般投票賞
●入選

<<グランプリ>>
(審査員:写真家・上出俊作氏)

(審査員講評)
この作品をグランプリに選出するのには、ある意味で勇気が必要でした。
なぜなら、あまりにも自然で、所謂アート性のようなものが高められた作品ではなかったからです。
凄い写真を撮ってやろうという気迫や、みんなと違う写真を撮ってみようという工夫が、表面的には見えない代わりに、作者の生き物を愛でる優しいまなざしが、しっかりと伝わって来て心を打ちました。
とはいえ、他にも力のある作品が数点ありましたので、グランプリを決めるまでに数日かかってしまいました。最初に全ての作品を見てから数日後、グランプリ候補の中から最終選考しようと思ったのですが……
最終選考の前に、このカワウソの表情が、頭に浮かんできてしまいました。というか、この表情がずっと忘れられませんでした。この作品だけが、圧倒的に心に残っていたのです。初見の際はタイトルを見ていませんので、バス停ではなく、僕の頭には縁側が浮かびました。縁側で庭に植えてある草花をぼーっと眺めているように見えました。顔や手を拡大して見てみると、毛がフワッとしておらず、濡れてまとまっているように見えます。座っている木も、濡れていることに気づきます。「そうか、お風呂から上がってそのまま縁側に来たのか」と思いました。
と、動物を擬人化するのは必ずしもいいことはないのでしょうが、そんな想像がどんどん膨らんでしまうというのは、やはりこの作品の魅力なのでしょう。
バス停と言われればバス停に見えますし、他の状況を想像する方もいるはずです。こういう想像を巡らせることができるのは、被写体の魅力を邪魔する要素が、画面の中から削ぎ落されているからですね。作者の素直な視点と丁寧な技術が詰まった、写真の面白さを思い出させてくれる一枚です。

<<準グランプリ>>
(審査員:DAIKINGフォトセミナー講師・DAIKI氏)

(審査員講評)
肉眼では見ることのできない世界、だけれども確実にこの瞬間が目の前にある。これぞ写真の持つ力ですね。奇跡とも言える貴重な瞬間(アトラス彗星)を、我々の住む星から見ることができたこの日の夜を見事に表現できています。
小さい彗星をしっかり存在感が出るようにしているだけでなく、それをただ主役とせずに我々の住む世界も自然や人工物を織り交ぜいろんな色を使い表現できているので、ただ彗星を撮ったという写真に収まらず、美しい彗星を見ることができるこの星(地球)もまた美しいのだ、と言っているように感じられました。
全体的に彩度が高く絵のような仕上がりになってはいますが、僕個人的にはこれくらいの方がどこか現実離れしている部分があってそれが逆に良いかなと思いました。撮影者の伝えたい世界観がひしひしと伝わってくる素晴らしい作品ですね。
準グランプリ、おめでとうございます。

(審査員講評)
この景色を目の当たりにした時、そう、写真であるのに写真であるということを忘れてまるでこの景色が目の前に現れたような感覚になった時、とても静かで落ち着いた心でしっかりと感動している自分がいました。
合成なので(あとでストーリーを読んで初めて分かりました)実際には見られないのかも知れませんが、現実にこの世界があると強く感じさせてくれることがこの作品の全てだと思います。美しく素晴らしい世界が表現できていますね。
横長にして睡蓮を中心より右に配置し、背景をしっかり落とし被写体の美しさを余すところなく出したことで、静止画なのにまるで動画を見ているような感覚になり左から右へとゆっくり視線が導かれていき、時間の経過をも感じられました。これがこの作品の奥深さだと思います。
準グランプリ、おめでとうございます。
【審査員総評】
◎写真家 上出俊作氏より
年々応募作品のレベルが上がっていることは感じていましたが、今年は特に、全体のレベルが飛躍的に向上していて驚きました。言い方を変えれば、突出した作品は少なく、意識と技術の底上げが図られたような印象です。多くの作品から「自分は作品をつくっているんだ」という意気込みのようなものが伝わってきました。
それぞれ撮影の仕方に工夫が見られたのも、面白かったですね。
多重露出や合成、フィルターを使った撮影など、新しい撮影技法にチャレンジする姿勢にも刺激を受けました。
とはいえ、どんな撮影機材を使うか、どんな撮影手法を選択するか、はあくまで手段にすぎません。
写真を撮る目的はそれぞれ違って当然ですが、「○○フィルターを使うために写真を撮っています」という人はいないでしょう。
その意味で、レベルの向上や撮影手法の工夫は見られましたが、「新たな視点」や「鬼気迫る想い」を感じさせる作品は少なかったように感じます。
被写体がかぶってしまうのは、ある程度仕方のないことだと思います。
しかしながら、コンテストという場において頭一つ抜けるためには、皆と同じ場所にいながら自分なりの視点で世界を捉えることが必要です。
あるいは、「これを撮らないわけにはいかない」という、内側から溢れ出る情熱が必要です。
そんなものを作品に乗せるために、技術があり、工夫があるわけですね。
全体のレベルが上がり、家に飾っておきたい写真は入選作品以外にもたくさんありました。
でも、迫ってくるような作品はあまり多くなかった、というのが率直な感想です。
もちろん、「この視点は面白い!」という作品もありました。
しかし、詰めが甘い………。
ピント合わせがおおざっぱだったり、微妙にブレていたり、という作品が目立ちました。
今回は野鳥を撮影した作品も多く見られましたが、ほとんどの作品が、解像感に欠けていました。
あえてそうしているなら構いませんが、望遠撮影はピントもブレもシビアですので、もう少し敏感になってもいいかもしれません。
構図に関しても、もったいない作品が散見されました。
特に、風景を撮影する際は、水平を意識して欲しいですね。
微妙にずれているだけで、鑑賞者は居心地の悪さを感じてしまいます。
レタッチに関しても、人によって意識の差がありそうです。
丁寧に現像されているなという作品がそれなりにある反面、ただ彩度と明瞭度、シャープを上げただけという印象の作品も目立ちました。
第一印象でいいな、と思った作品も、じっくり見ると過度なレタッチで画像として破綻しているものが多くありました。
(あえて絵のように仕上げたりするのはありだと思いますが。)
後半は厳しめのことを多く書きましたが、あきらかに全体のレベルが上がってきています。ありがたいことに毎年審査を担当させていただいておりますが、今回が一番楽しかったです。
技術は確実に向上していますので、自分が世界をどうとらえているのか意識すると同時に、細部に神は宿ると思って、ご自身の作品と今一度向き合ってみてください。
次回はきっと、グランプリ候補が多すぎて困った…ということになるでしょう。楽しみにしています!
2025年4月
上出 俊作
◎DAIKINGフォトセミナー講師 DAIKI氏より
まずなによりも驚いたのが、前回に比べて応募作品のレベルが一気に上がっているなと感じたことです。ピント、露出、構図の基本撮影技術から、撮影者独自の視点、そして現像処理技術、どれを取っても格段の進歩が見られました。特に前半は見応えのある作品が次から次へと続き、まるで写真集を見ているようでとても楽しかったです。と同時にこれは審査するのにとても時間がかかるなとも思いました。
と言うわけで何度も何度も全作品をじっくり見返していくと、作品自体に「奥深さ」を感じられるか否かが次第に分かるようになりました。つまりいつも僕が言う「ずっと見ていたい写真」か否かと言うことです。「奥深さ」を感じられる要素としては技術力の高さはもちろんですが、その上でより細部までのこだわりが徹底されているか、そして何よりこの一枚にかける想いが伝わってくるかということです。
風景写真であれば眼前に広がる美しい景色を「自分というフィルター」を通してどう表現したいのか、そのためにはどういう視点でどういう撮影方法(現像処理)を行えば良いのか、生態写真なら「自分が向き合っている生命」を余すところなく伝えるために、どの瞬間をどの距離や角度で撮れば伝わるのか、などをとことん考え抜いてシャッターを切り現像処理をしていく必要があると僕は考えます。
そんな中、今回少し気になったのが生態写真の完成度です。正直に言わせていただきますと物足りなさを感じました。日々野生の生命と向き合っている僕の立場上、風景写真より厳しい目で見てしまうためもあると思いますが、目の前の生命を尊重し相手を深く理解しつつ、より真摯に向き合いながらしっかり生命力を感じられる写真を撮ることを心がけてもらいたいです。
それともうひとつ、組写真については、組写真にした意味、構成力、写真の選定や撮り方などにまだまだ工夫の余地があると感じられました。組写真はその一枚一枚の完成度だけでなく(一枚でも作品になり得る写真)、組写真だからこその意図をしっかり感じさせてくれるものでなければなりません。組写真にチャレンジする方は今一度基本に立ち返りより入念な作品づくりをしていただければと思います。
とはいえ、少し乱暴な言い方になりますが写真はあくまで手段にすぎません。技術は思考を続け時間をかければ誰でも上達します。結局のところ最後はその人(撮影者)の人となりが作品に反映され、それが価値(良い写真)につながるのです。さらなる技術向上はもちろんのこと、自他を知り、その上で自分を磨き、高めていく、それがより良い「自分というフィルター」になって素晴らしい世界観を生み出したり、また「自分が向き合っている生命」を溢れんばかりの生命力で伝えられるようになるでのはないでしょうか?
最後になりましたが、今回もこのような大役を任せていただき大変感謝しております。年々責任の重さを感じると共に自分にとってかけがえのないとても大切な機会になっております。本当にありがとうございました。
2025年4月
中野大樹


協賛団体賞
地球環境フォーラム賞
金賞

<コメント>
見た瞬間、日本画のような美しさだと思いました。
空間も、とてもよいと思います。
あとは好みによると思いますが、もう気持ち、
蝶と花の色彩があると、より生命感が出ると思いました。
銀賞

<コメント>
見た瞬間、まさに天空の鳥居だと思いました。
前ボケは、雪とのことですが、
この構図の発想と、とてもスッキリした構図がすごいと思いました!
特別賞

<コメント>
5歳の作品とは思えないほど、
とても美しい色彩のハーモニーと、構図になっていると思います。
スワモンショウ賞





<コメント>
一滴の水が、太陽の光とあわって生命力が増していく様子を
ダイナミックなストーリーにまとめあげ、
見事に表現されていて、すごく感動いたしました。
ワンネスサポート賞

<コメント>
いつかの夢の中で見たような、見てみたいような、、、
幻想的で、何か懐かしさも感じられ、どこか原風景的でもあり、、、
観る人によって各々異なるインスピレーションを自由に楽しんでくださいと言われているようで、
受容的な表現と感じました。
そこが、この作品から感じるやさしさや心地よさ生んでいるようにも感じました。
また、それにも増して、昨年の作品と比べて技術的な向上がとても感じられ、
日々の積み重ねを尊敬しております。
シンプルな色使いと大胆な構図をメルヘンで表現することで、
絶妙な心地よさを生み出すひろしさんの才能には毎回驚かされます。
もう1点出展された『やすらふ』とも共通して、情景の作り方が素晴らしいです。
『やすらふ』はタイトルも好きです。上手く表現したな、すごいな!と感動いたしました。
HATAMOTO JAPAN賞

<コメント>
作品をみてすごく透き通ったクリアな気持ちになり、透明感を感じました。
どこまでも透き通っていく、心のような、、、
大自然と共鳴し本来の人としてのあり方を感じるような作品だと感じました。


一般投票賞


<投票いただいたみなさんからのコメント(抜粋)>
- 透明感があってキラキラした生命エネルギーを感じました。水の音が聞こえてきそうです。
- 瑞々しさ、透明感、お花の美しさ、光のキラキラ、そのすべてが調和していて、透明で美しいから!!!!ずっと見ていたいです。
- 梅花藻の間に落ちた百日紅のピンク色が鮮やかで、透明な水に可憐な梅花藻がリフレクションして、光の中でキラキラ輝いていて、とても美しく透き通ったエネルギーに魅かれました。
- 自然、光、色彩、生命のパワー、その美しさが、ダイレクトに伝わってきて感動しました。
- とても澄んだ透明感ある清流、空気感、この環境でないと育たない小さな生命、梅花藻とサルスベリのピンクがとても可愛くて、自分の心も清流でクリスタル化されるようです^^ ベストなタイミングで撮れているのも凄いと思いました!!!
- キラキラしてきれいなだけでなく、澄んだ鈴の音のような生命の響きを感じました。


<投票いただいたみなさんからのコメント(抜粋)>
- ひまわり畑をこんな風に撮られたことに驚きました!観ていると、ひまわり畑の中に立っているような気持ちになり、明るい光を浴びている感じがしました!
- とてもメルヘンでこの世界に行きたいと思った。
- ひまわりをとても透明感を感じる撮り方をされていて、感動しました。
- 夏のメルヘンが存分に伝わってきて、暑さも和らぐ素敵な作品です!
- パッと見た瞬間に、絵画みたいな写真ですごいと思った。ひまわりの黄色がとてもきれい!


<投票いただいたみなさんからのコメント(抜粋)>
- ごく神聖で神秘的!美しい静けさを感じ 新たな始まりを感じ中心の核玉がガチッとなり!パワーが沸いてくると同時にウルウルしてきて超感動!!!
- 本当に美しいの一言で、ずっと見ていたいと思いました。新しい希望の世界の始まりと地球の神秘を感じ、わくわくでいっぱいになりました。
- ドキドキが止まりません!新しい地球の幕開け!と感じました!美しさ!力強さ!生命力!を感じました!
- 永遠のような1瞬のようなとても神秘的なフォトで、すべてのフォトを見終わったあともずっと心に残りました。
- 朝日のグラデーションが美しく、力強さを感じました!

最もインパクトがあり、感動し印象に残った作品!!!

<投票いただいたみなさんからのコメント(抜粋)>
- 可愛いんだけどタイトルが笑撃的で・・・!
- 一度見たら忘れられない一番記憶に残る写真でした。
- タイトルが秀逸!
- コツメカワウソがこんな座り方をしているをみたのは初めてで面白い!!!思わず笑ってしまいます!
- 人間のように座っていて、とても可愛かった!


【入選】
※上出俊作氏が選んだ入選作品
No.001『青空を歩く』 りんりんさん
作品番号001がこの作品だったことで、「今年はなんだか凄そうだ!」と期待が高まりました。神様が空の上を歩いているようで、作者のオリジナルな視点を感じました。もう少し表情が見えたら違う作品になったかもしれませんね。とはいえこれはこれで、作品として完成された一枚です。
No.009『アトラスの軌跡』 tenさん 【準グランプリ作品】
まさに宇宙を感じさせてくれる一枚ですね。僕たちが暮らしている街と宇宙のつながりのようなものも感じられます。貴重な機会をしっかりおさえる技術も素晴らしいです。画面を構成する要素が多く、ちょっとこってりした印象になっているように感じるので、彩度は上げすぎずもう少しナチュラルに仕上げても良かったのかもしれません。
No.014 『お散歩』ひろしさん
全体の世界観が完成されていますね。作者がお散歩しているようでもあり、蝶々がお散歩しているようでもあり、タイトルがうまく鑑賞者の見方の幅を広げてくれています。ピントの合っている蝶や花が少しジャキジャキして見えますので、RAW現像は改善の余地があるかもしれません。
No.020『麦秋の丘』 shimonさん
一般的な写真の概念から言うと、色がべたっとしていて写真としては良くないと言われてしまうかもしれませんが、個人的には、表現としてはありだと思いました。印象派の画家が美瑛に滞在したらこんな風に書くのかな?と想像が膨らみます。一見主役のいない風景のように見えますが、構図が整えられているのでいつまでも見ていられますね。
No.041『曼珠沙華』mioriさん
力のある一枚ですね。情熱的な印象を受けます。二股に割れる木が、何かを暗示していそうです。マクロでもワイドでもなく、中望遠で切り取ったことで、密度と緊迫感を演出できているように感じました。個人的には、右上のスペースと木々を切ってしまった方が、より力のある作品になるのかなと思います
No.050『のぞいてごらん』優美さん
作者の視点という意味では、この作品に勝るものはありませんでした。何もないんだけれど、何かあるような気がして、ついつい覗いてしまいます。こんなに大胆な構図は初めて見ましたし、真ん中にドンと余白を持ってくる潔さに感動しました。世界って、こんな風にも見えるんですね。
No.070 『月花火』 keiさん
合成なので実際にはこのように見えるわけではないのでしょうが、この景色がそのまま見られそうな、自然な仕上がりですね。ある意味合成なので言い訳ができませんが、構図が完璧で、色も調和がとれていて、ずっと見ていられます。何でもできる状況でどこまで引き算ができるのか、お手本になるような作品ですね。
No.075 『藤の花が咲く風景』 akemiさん
日常の中にある幸せを丁寧に切り取った作品のように感じました。強い主役がいるわけではありませんが、画面の中のスペースをうまく配分することで、全体としての調和がとれています。個人的には、鯉にビシッとピントが来ているとちょっと生々しい感じがしてしまうので、これくらいのボケ感で撮るのが心地いように感じます。
No.081『光の睡蓮』tenさん【準グランプリ作品】
合成と言われなければ、僕は合成と気づかないと思います。こんな幻想的な世界があるのか、と素直に感動しましたし、実際にはこう見えないとしても、「ありそう」と思わせるのが、この作品の強さではないでしょうか。恥ずかしながらアサザという花を初めて知りましたし、水面に映る星のように、まさに輝いて見えました。
No.091 『Aquarium Magic』 Ikuさん
水族館というただでさえ夢の中のような場所が、多重露出によってよりファンタジックに表現されています。なんともいえない不完全でごちゃごちゃした感じが、この作品の面白さでしょうか。多重露出の効果で透明感が強調されているのも、水の中というだけでなく、夢の中のような雰囲気を強調していていいですね。
No.104 『紫陽花玉』 はるかさん
花についた水滴を主役にした作品は多く見られましたが、この作品の完成度が圧倒的に高かったです。水滴自体はどう撮っても綺麗なので、水滴以外の要素を画面の中でどう整理するかが重要です。この作品は、左の緑の世界と、右の紫の世界を、水滴が見事につないでいて、水滴がそこになければならない必然性が感じられます。
No.144『桃色の優しさ』愛子さん
満開の時間は一瞬で過ぎ去ってしまう桜の儚さが、縦構図を選択することで効果的に表現されているように感じました。色やボケ感も絶妙で、絵と写真の間のような、不思議な雰囲気を醸し出しています。個人的には、右下に向かって咲く花がサクランボのようで可愛いなと思いました。
No.189 『春だよ』てるみさん
野鳥写真は多数応募がありましたが、しっかり解像していると、生き物そのものが持つ美しさや強さがストレートに伝わってきます。構図も奇をてらわず、真ん中に一本スッと枝を通したのも、見ていて気持ちがいいです。これはこれでナチュラルな色味でいいのですが、春っぽさを出すためには、もう少し暖かみのある色にふってもいいかもしれません。
No.213『コスモス畑三丁目三番地で恋をして』宙美さん
全作品の中で、このタイトルが一番好きでした。作品とタイトルのイメージがぴたりと合いますし、楽しい気分にさせてくれます。二匹が向き合っているのではなく、お互い意識し合っているのか、お尻を向けているのが出会ったばかりという感じでほほえましいですね。この雰囲気も好きですが、もう少しだけ露出を落としてディテールを見たいとも思いました。
No. 254『ケーキ!?』春日さん
この作品は撮影された状況が全く分からなかったので、ケーキと言われればケーキか、と思いました。花だろうとは思いましたが、桶の中の水に浮かんでいたんですね。状況がわかると、花と花の間のつながりに水があることで、この作品の優しさが表現されていたんだなということがわかります。日常の中の小さな宝物を見つけましたね。
※DAIKI氏が選んだ入選作品
No.012 『清流に咲く生命の花』tenさん
梅花藻だけでも十分美しい作品に仕上がっているところに、サルスベリのピンクが見事にアクセントとしてこの作品をさらに高みへと連れてってくれていますね。また中心付近の水と光の質感が美しく、細部にまでしっかりとこだわって撮影できているのがしっかり伝わってきました。見れば見るほど見応えのある作品だと思います。
No.014 『お散歩』ひろしさん
とても小さい主役を活かすために完璧に背景を表現できている点が素晴らしいです。この広いお花畑がまるでこの子だけのもののような、いろんなストーリーを思わず考えたくなってしまうような世界観に感動しました。あえて言わせてもらうと少しだけ手前のボケの量が広すぎて視線が持っていかがちになりました。
No.041 『曼珠沙華』mioriさん
やや前ボケが強い印象ですが左上の二股の木のおかげで視線が分散され、またこの木がこの作品にとても良いアクセントを与えていて奥深さを出してくれています。焦点距離140mmで見事に切り取り見てもらいたい世界をしっかり表現できていますね。ただどうしても右上の曼珠沙華でない部分が気になってしまい、非常にもったいないなと感じました。ここは確実に切り取るべきでしたね。
No.062 『熱雷の夏』りんりんさん
ただ一言「めちゃカッコええっ!!!」です。誰もが撮りたいと思うのかどうかは別として僕の心にグッと突き刺さりました。そう思わせてくれるのも撮影技術だけでなく、確かな現像処理技術があってこそだと思います。ありそうでない紫色の空にしたことで雷の強さや怖さが増長され、この作品の価値をグッと高めていると思います。僕もベランダにお邪魔して撮らせてもらいたいです。
No.067 『Love×Love』 keiさん
先に言っておくと右の子の目にはピントが合っていて、左の子の目に合っていないのが残念なのですが、それ以外の部分においては適度な前ボケ、逆光による毛並の美しさ、木をしっかり掴んでいる可愛らしい手、そして見つめ合っている瞬間などなど、生態写真を撮る身としてはとても完成度の高い一枚だと思いました。あと一歩でしたね。
No.070 『月花火』 keiさん
合成だと分かっているのにそう思わせないのは、ひとえに技術力の高さですね。素晴らしい完成度だと思います。月の美しさをしっかり感じてもらうために、ともすれば派手にしてしまいがちな花火をシンプルな色味でまとめたのが功を奏しています。ただ少しだけ黒の中に浮かぶモヤの部分が気になりました。これがなければさらに良かったなと思います。
No.075 『藤の花が咲く風景』akemiさん
見事な構図力でこの世界観が表現できています。どの部分をとっても無駄なところが一切なく、いろんな要素がそれぞれの役割をしっかり果たせていますね。文句のない一枚と言いたかったのですが、全体からくる明るさからかずっと見続けているのが少しだけしんどくなりました。全体的にもう少しアンダーにした方が良かったかなと思います。
No.096 『寿ぎ』はるかさん
マゼンタの水がアオサギの色とマッチし存在感を際立たせてくれますね。そのマゼンタも美しいグラデーションを描いているだけでなく、アオサギの大きさとの対比が見事でしっかりとした世界観が表現できています。ただアオサギに若干のブレが見られるのでカメラをもっとしっかりホールドしシャッタースピードももっと稼いだほうが良いかと思います(1/400ではまだ遅すぎる気がします)。そして細かいようですが上部やや右にあるシミみたいなものはしっかり消しておきましょう。
No.104 『紫陽花玉』はるかさん
緑の世界と紫の世界がひとつに交わる時そこに奇跡がおきるのです。まるでそう語りかけてくれているような素晴らしい作品です。僕が選ばせてもらった入選作品の中でも特に完成度が高く準グランプリ候補のひとつでした。細かい部分で言うと水滴の中がしっかり表現できている点と、緑と紫のボケ味に違いがある点が素晴らしいですね。特に右端の紫の紫陽花の配置とディテールの出し方が秀逸でした。
No.135 『あまねくつつみこむ』京子さん・あきらくん・てるみさん
逆三角形の構図が見事な調和を生み出し、しみじみとしたこの世界に安定をもたらしてくれています。それぞれの配置、そしてスローシャッターでの柔らかい水面の表現、空の露出や色味など、全てが高いレベルでまとまっています。ただ中心やや右上に見える細かい点々が気になるので、しっかり消しておきましょう。
No.220 『故郷の太陽』Sachiさん
風景写真でボケをさりげなく使いつつ、しっかり前景、中景、遠景を入れ、かつ左上から中心下に視線を誘導しその後は一度右上に持っていきつつ空を経由して再び下の川へ、そして最後に太陽に辿り着く。見事な螺旋構図に感動しっぱなしでした。間違いなく準グランプリ候補のひとつだったのですが、あと一押し何かパンチが足りないような…それを考えることがきっと今後に繋がっていくと思います。
No.246 『ひまわりと一体化』愛光さん
こういう写真、大好物です。この子が愛しくてたまりません。露出、色味、主役の配置、そして全体を黄色で埋め尽くす切り取り方、アスペクト比の決定。どれもお見事です。ただもう少し絞ってこの子の眼にガチピンさせ目をもっとしっかり表現できていれば、さらに生命感が出せたかなと思います。そこだけが残念でした。
No.281 『秋の朝景』虹絵さん
まず秋桜の美しい透明感としっかりしたディテールに心奪われ、次に神秘的な雲海、そしてその奥にある山々、最後に光り輝く太陽と、自然に視線が誘導されて一つの風景が完成し、見応えのある作品に仕上がっています。ただずっと見ていると若干ですが左に下がっているような印象を受けてしまい(実際は水平が取れているのかも知れませんが)、不安定さを感じました。そこが改善できれば良かったかなと思います。
No.286 『雨上がり』TAKAさん
この作品について言いたいことはただ一つだけです。水平が歪んでいるのが非常にもったいないです。これさえなければ準グランプリにしたいくらい本当に素晴らしい作品に仕上がっていたと思います。大きい画面でしっかり確認し、全体が左に傾いているのに気づけるように、何度も何度も見返しましょう。
No.301『森からこぼれ落ちるいのち』Kanaさん
組写真の中でもっとも完成度が高く入選に値する作品でした。全ての写真を同じアスペクト比にする(必ずそうすべきだとは思いませんが基本的にはそうした方がベターです)。水という「いのち」を時間軸で5つに分けて表現することで一つの大きなテーマを完成させる(5という数字には命を表現するにふさわしい数字だと思います)。そして何より一枚一枚しっかりと違いと意味を持たせ丁寧に撮られているからこそ組写真として成立しています。
※受賞・入選されたみなさんおめでとうございました。